中途採用の求人を複数の人材紹介会社に預けている企業では、依頼した社数のぶんだけ採用の入り口が増えます。それでも、募集から数か月たっても採用が決まらない状態は起こります。

採用の現場からは「求人は出しているのに決まらない」「どこを直せばよいのか分からない」という声が挙がります。原因を特定しないまま媒体や契約先を足すと、費用が増えるだけで欠員が残りかねません。推薦が来ないのか、来ても選考で通らないのか、通っても辞退されるのかを件数で切り分け、止まっている1か所だけに手を入れる順番が欠かせないでしょう。

本記事では、中途採用が決まらない状態を3つの段に分ける見方から、1か月の件数で詰まりを特定する手順まで解説します。

紹介会社とのやりとりを扱った記事は記事一覧で読めます。


求人を出しても中途採用が決まらない状態

中途採用が決まらないという状態は、1つの出来事ではありません。依頼から入社までのどこかの段で人の動きが止まり、その先へ進んでいない状態です。

ここでは、決まらない状態の表れ方と、最初に数える3つの件数を解説します。

求人を出しても採用に至らない企業には、埋まらない欠員だけが残ります。この状態は特定の業種に限られません。

全国で常用労働者5人以上を雇用する約15,000事業所を抽出した調査では、2025年6月末時点で埋まっていない求人が約136万人分ありました(厚生労働省『令和7年上半期雇用動向調査結果の概況』)。これは、人手が欠けた箇所を埋めるために出している求人のうち、その時点で補充が済んでいない分の人数です。

補充のための求人が残り続ける状況は、広い範囲で起きています。ただし、市場の全体像が分かっても、自社のどこで止まっているかは別に確かめる必要があります。

最初に取る行動は1つです。直近1か月について、推薦を受けた人数、面接を実施した人数、内定を承諾した人数の3つを数えます。

この3つのうち、どこで数が落ちているかが分かると、手を入れる場所は1か所に決まります。原因を並べて検討する作業は、落ちている段が決まったあとに回せます。

会議室で求人票と選考状況の資料を広げ、採用の進み具合を確認している担当者の手元
写真: Mikhail Nilov / Pexels

決まらないまま止まっている3つの段

中途採用の進行は、紹介会社への依頼から入社までが一本につながっています。その途中で止まる位置は、大きく3つに分かれます。

ここでは、決まらない状態を3つの段に分ける見方を解説します。

3つの段は順番につながっています。前の段で止まっていると、後ろの段の件数は0のままになります。

1. 推薦が届かない段

依頼は出したものの、各社から推薦が1件も届かない、または件数が少ないままの状態です。自社の求人が各社のなかで後ろに回っている時に起こります。推薦が届かない原因と原因別の打ち手は人材紹介会社が動かないにまとめています。

2. 面接まで進まない段

推薦は届いているのに、面接の実施まで進まない状態です。日程が決まらないうちに候補者が選考から離れる場合は選考辞退、面接の結果が各社に戻らず次の推薦が合わないままになる場合は面接後のフィードバックで扱っています。

3. 内定後に決まらない段

面接を通過して内定を出しているのに、承諾の返事が得られない状態です。内定を出したあとに起きていることと、承諾までに揃えておく情報は内定辞退で解説しています。

どの段で止まっているかが決まれば、読む記事も手を入れる場所も1つに絞れます。3つを同時に見直す必要はありません。

ノートパソコンのキーボードを両手で操作し、採用の進捗を記録している手元
写真: Yan Krukau / Pexels

1か月の件数で特定する詰まりの位置

3つの段のどれで止まっているかは、印象では決まりません。件数を並べると、落ちている位置が1つに定まります。

ここでは、1か月の件数を使って詰まりを特定する数え方を解説します。

数える期間は直近の1か月です。紹介会社ごとに分けず、自社に届いた件数を合計します。

数えるのは以下の3つです。

1か月の件数で詰まりを特定する

数える対象数え方落ちていた時に止まっている段
推薦を受けた人数各社から届いた推薦を1か月ぶん合計する推薦が届かない段
面接を実施した人数日程が成立して実際に会った人数で数える面接まで進まない段
内定を承諾した人数承諾の返事が届いた人数だけを数える内定後に決まらない段

数える期間は直近1か月。紹介会社ごとには分けず、自社に届いた件数の合計で見る

3つの数を順に並べると、落ちた位置が見えます。推薦が1桁で止まっていれば入口、推薦に対して面接の実施が極端に少なければ選考の通過、内定まで出ているのに承諾が0なら承諾の段です。

段を1つ進むごとに人数が減ること自体は、珍しいことではありません。月に50件以上の応募がある大量採用の企業で、人事・採用の担当者と責任者1,496名に聞いた調査では、応募数を100としたとき、最後に入社へ至るのは約6名でした(株式会社ゼクウ『「採用における歩留まり・直近の変化・運用の実態」に関する調査』)。

そのため、見るのは減ったかどうかではありません。3つのうち、どこで落ち方が大きいかです。

面接を実施した人数は、日程が確定した人数ではなく、実際に会った人数で数えます。確定の時点で数えると、当日になって来なかった候補者が件数に残り、落ち方が見えなくなる点に注意が必要です。

紹介会社ごとに数を分けて優劣を比べる作業は、この段階では行いません。自社全体の件数で、止まっている段を1つ決めるところまでが目的です。


手を入れる前に確保する契約社数

止まっている段が1つに決まったら、次は手を入れる順番です。運用に手を入れる前に、依頼先の数を確かめます。

ここでは、契約社数の確保から運用最適化までの順番を解説します。

人材紹介では成果報酬型が一般的で、契約を結んだ段階では費用が発生しません。依頼先の数は、増やす前提で見直せます。

依頼先が1社や2社しかない場合、推薦の件数が少ないことは社数の制約で説明がつきます。何社まで持つかの目安は何社と契約するかで扱っています。

社数を確保したうえで、本丸は増やした契約を動かす運用の側です。

止まっている段が推薦の入口なら各社への募集条件の渡し方、選考の通過なら日程と面接結果の戻し方、承諾なら推薦を受けた時点でのすり合わせが、手を入れる対象になります。

ここで増えるのは、社数ぶんの往復です。依頼先が5社あれば、同じ内容の連絡を5回に分けて届けることになります。

決まらない状態の、止まっている段を特定する

複数の紹介会社の運用最適化を軸に、推薦が届かない段・面接まで進まない段・内定後に決まらない段のどこで止まっているかを件数で見る運用へ近づけます。サービス概要資料では、各社への募集条件の渡し方、推薦への返信の代行範囲、社ごとの件数の集め方を確認できます。1か月の件数の数え方も、同じ資料に収めています。

無料で資料を受け取る

往復を引き受ける手段として、複数の紹介会社の運用を横断で代行する方法があります。一括エージェントは、契約中の紹介会社を外さないまま、各社との往復と記録だけを人とAIで引き受けます。

解約の手続きや、ほかの会社へ切り替える作業は入りません。止まっている段に手を入れる作業そのものを、依頼先を保ったまま進められます。

複数の紹介会社を横断して動かす進め方はエージェントコントロールと呼ばれます。エージェントコントロールでは、この進め方の全体像を扱っています。

運用を一括エージェントに預けた医療機関の例では、依頼先を1社も減らさないまま各社から届く推薦の件数が約2倍に増え、2か月のうちに看護師2名の入職が決まりました。医療の分野で得た数値のため、同じ結果がほかの職種で出るとはかぎりません。


まとめ|止まった1か所から動かす中途採用

本記事では、中途採用が決まらない状態を3つの段に分ける見方から、1か月の件数で詰まりを特定する手順まで整理しました。確認したい点は3つです。

  • 決まらない状態は、推薦の入口・選考の通過・内定後の承諾の3つの段に分かれる
  • 直近1か月の推薦を受けた人数と面接を実施した人数、内定を承諾した人数を並べると、落ちている段が1つに定まる
  • 手を入れるのは落ちていた1か所で、依頼先の数を確保したうえで運用の側を変える

数えるところまでは、社内に残っている記録だけで進められます。

積み重ねたファイルボックスに手を置き、採用記録を整理している様子
写真: cottonbro studio / Pexels

とはいえ、手を入れると決めた段の作業は、依頼先の社数ぶんだけ繰り返しになります。募集条件の渡し直し、推薦への返信、面接結果の連絡は、ほかの業務と並行すると後ろへ回ります。

一括エージェントは、この繰り返しの側を引き受けます。推薦に対する当日の返信から各社への募集条件の受け渡し、面接結果の戻し、社ごとの進み具合の集約までを横断で代行します。

決まらない状態のまま社数や媒体を足す前に、止まっている1か所を動かす進め方へ寄せられます。

よくある質問

Q. 中途採用が決まらないまま数か月が過ぎています。人材紹介の利用を止める判断が必要ですか

やめる必要はありません。決まらない状態の多くは、紹介という手法ではなく、推薦から承諾までのどこかの段が止まったまま置かれている運用の側に理由があります。紹介を止めると、候補者を探す作業と応募への対応が社内に戻り、作業量は増えます。現実的な順番は、いまの契約を保ったまま件数で止まっている段を1つ特定し、そこに手を入れることです。

Q. 3つの段のうち、どこから手を入れるのが先になりますか

件数の落ち方が大きかった段からです。推薦が届いていない状態で面接の進め方を直しても、会う相手がいないため件数は動きません。前の段が詰まっている間は、後ろの段に手を入れても結果に表れません。1か月の件数を並べて、落ち方の大きい段を1つだけ選びます。

Q. 件数は紹介会社ごとに分けて数える必要がありますか

詰まりを特定する段階では、分けずに合計します。社ごとに分けると1社あたりの件数が小さくなり、どの段で落ちているかが読み取りにくくなります。まず自社全体の件数で止まっている段を決め、その段の運用に手を入れます。社ごとの比較は、運用を整えたあとに別の作業として行います。


止まった段を動かす運用を、横断で代行します

複数の紹介会社の運用最適化を担い、推薦への当日の返信、募集条件の渡し直し、面接結果の連絡、社ごとの件数の集約までを横断で引き受けます。契約中の紹介会社は1社も外しません。増えた社数ぶんの往復だけを社外へ移す形です。60分の無料相談で、止まっている段にあわせた進め方をご提案します。

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