地方に本社や事業所を置く企業では、中途採用の欠員を複数の人材紹介会社に預ける例が増えています。それでも、社数のぶんだけ推薦が届くとはかぎりません。
採用の現場からは「求人を出しても応募が来ない」「推薦が月に数件で止まる」という声が挙がります。地域内の転職希望者だけを見て依頼先を足しても、推薦の層が重なり、欠員は残りかねません。地域の外にいる候補者へ届く全国型の紹介会社と、地元に強い紹介会社の両方と契約し、推薦の入口を県外まで広げる進め方が欠かせないでしょう。
対象は民間企業と医療介護事業所で、自治体職員の中途採用は扱いません。本記事では、地方の応募が止まる理由から、広げた入口を動かす運用まで解説します。
地方での採用と紹介会社の運用にまつわる記事は記事一覧にそろえています。
地方の求人に応募が集まらない背景
地方で中途採用の求人を出しても応募が集まらない状態には、地域内で動いている転職希望者の数という制約があります。
ここでは、欠員が埋まらない状況の広がりと、地域ごとに異なる需給の開きを解説します。
必要な人数に届かない状態は、地方だけで起きているものではありません。
2025年度下半期に中途採用を行った全国の民間企業3,292社のうち、「必要な人数を確保できなかった」と回答した企業は51.5%でした(リクルートワークス研究所『中途採用実態調査(2025年度実績、正規社員)』)。対象は従業員規模5人以上の企業で、調査は2026年1月から3月に行われています。
この割合は、全国の企業を対象にした数値です。ただし、求人1件あたりに向き合う求職者の数は、地域ごとに違います。
2026年8月の有効求人倍率を就業地別にみると、最高は福井県の1.72倍、最低は大阪府の0.95倍でした(厚生労働省の『一般職業紹介状況(令和8年8月分)について』)。
倍率が高い地域では、1件の求人に対して地域内で応募を検討できる人の数が限られます。同じ求人票を同じ社数に預けても、母集団の上限が先に来ます。
そのため、応募が来ない理由を求人票の書き方だけに求めると、直せる箇所がすぐになくなります。見る範囲を地域の外へ動かす順番が、ここで先に来るでしょう。

地域の外に出た候補者という空白
地方の採用で抜けやすいのは、いまその地域に住んでいない候補者です。進学や就職で地域を出た人は、地域内の募集から外れたままになります。
ここでは、地域の外に候補者が存在する状況と、その層へ推薦が届かない理由を解説します。
人の流れは都道府県をまたいで動いています。
2025年の住民基本台帳人口移動報告では、転入超過となったのは東京都・神奈川県・埼玉県など7都府県で、ほかの道府県は転出超過でした(総務省統計局『住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果』)。
地域を出た人が、そのまま戻らないとはかぎりません。地方での暮らしや仕事を検討する動きは、都市側の窓口に表れています。
認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの東京の窓口に2025年に寄せられた移住相談は73,003件で、前年を上回りました(ふるさと回帰支援センター『2025年 移住希望地ランキング』)。面談・電話・メール・見学・セミナー参加を合わせた件数です。
こうした層との接点は、地元の窓口や地域内の求人媒体では生まれにくくなります。住んでいる場所が地域の外にあるためです。
紹介会社も、候補者を集めている地域はそれぞれ異なります。地元に強い会社と、全国で登録者を集めている会社では、推薦として届く候補者の住んでいる場所が変わります。
全国型と地元密着型の両方との契約
推薦の入口を地域の外へ広げる手段は、契約の組み方にあります。地元に強い会社を外す必要はありません。
ここでは、2つの型の紹介会社を並べて持つ組み方を解説します。
紹介会社との契約は成果報酬型が大半で、採用が決まるまで手数料は発生しません。契約先の数は、増やす方向で検討できます。
全国で登録者を集めている会社は、地域外に住む候補者にも求人を届けられます。生まれた地域へ戻る人や、別の地域から移る人が、ここに含まれます。
地元に強い会社は、その地域の企業事情や通勤圏を踏まえた推薦を返します。すでに地域内で働いている人や、転居を伴わない候補者への接点は、こちらが担います。
2つの型では登録者の層が重なりにくく、両方と契約すると推薦の幅が広がります。どちらかに絞る進め方では、片方の層を手放すことになります。
何社まで持つかの目安と、自社の体制に合わせた決め方は契約社数の決め方で扱っています。

地元の契約を保ったまま、推薦の入口を県外へ広げる
複数の紹介会社の運用最適化を軸に、全国型と地元に強い会社の両方を動かす進め方をまとめました。サービス概要資料では、各社への募集条件の渡し方、転居を伴う候補者への条件のそろえ方、社ごとの推薦件数の集め方を確認できます。地方の求人で入口を広げる順番も、同じ資料に収めています。
無料で資料を受け取る広げた入口から推薦を受け取る運用
契約を足した後に残るのは、増えた社数ぶんの往復です。ここで止まると、広げた入口は推薦に変わりません。
ここでは、増やした契約を動かす運用の中身を解説します。
紹介会社は、求人の背景を理解できた会社から順に候補者を当てます。情報が届いていない会社では、自社の求人が後ろへ回ります。
各社の優先順位から外れる仕組みは人材紹介会社が動かないで扱っています。
全国型を足した場合、各社へ渡す情報は地域内向けより1段増えます。勤務地の生活環境、転居の支援の内容、着任までに置ける期間が、推薦の判断材料になります。
同じ内容を5社に渡すなら、連絡は5回に分かれます。推薦への返信、面接日程の調整、見送り理由の返却も社数ぶんに増えます。
推薦が届き始めた後の詰まりは、別の数え方で特定します。推薦・選考・承諾のどこで止まっているかの切り分けは中途採用が決まらない時で整理しています。
増えた往復を社外へ預ける選択肢もあります。一括エージェントは複数の紹介会社の運用最適化を担い、契約している会社を外さずに、各社とのやりとりと記録の部分だけを人とAIで代行します。
契約の解約や乗り換えの手続きは発生しません。地元の会社を残しつつ、全国型を足した後の運用まで動かせます。
こうして複数の紹介会社をまとめて動かす運用をエージェントコントロールと呼びます。この運用のくわしい中身は複数の紹介会社をまとめる運用の全体像で扱っています。
医療機関の例を挙げると、一括エージェントへ運用を預けた後、依頼先を1社も外さずに各社から届く推薦が約2倍となり、導入から2か月で看護師2名の採用が決まりました。これは医療機関での例であり、地方企業一般に同じ結果を約束するものではありません。
まとめ|県外まで広げる地方の中途採用
本記事では、地方で応募が集まらない理由から、広げた入口を動かす運用まで整理しました。要点は3つです。
- 地域内の転職希望者だけでは、求人1件あたりの母集団に上限が来る
- 転出超過となっている道府県では、候補者が地域の外にも存在する
- 全国型と地元に強い会社の両方と契約し、増やした契約を運用で動かす
契約を足すところまでは、成果報酬型のため費用をかけずに進められます。

とはいえ、足した社数ぶんの連絡は採用担当の手元に残ります。全国型へ渡す情報には転居の条件も含むため、1社あたりのやりとりも長引きます。
この繰り返しの部分を引き受けるのが一括エージェントです。募集条件の受け渡し、推薦への当日の返信、面接結果の連絡、社ごとの進み具合の集約を、各社をまたいで代行します。
地元の紹介会社を減らさずに、推薦の入口を地域の外まで広げる形へ近づけられます。
よくある質問
Q. 地元の紹介会社だけに任せたほうが効率的ですか
連絡の手間だけを見れば社数が少ないほうが軽くなりますが、推薦として届く候補者は地域内で動いている人に寄ります。地方の求人では、この層の人数そのものが母集団の上限になります。成果報酬型のため契約の段階では費用が発生せず、全国で登録者を集めている会社を足しても金銭的な負担は増えません。地元の会社を外さずに全国型を並べ、推薦の中身を見てから力の入れ先を決める順番が現実的です。
Q. 地方の求人に推薦が届きません。人材紹介はやめたほうがよいですか
人材紹介をやめる必要はありません。届かない要因は、依頼先の構成と各社への情報の渡し方に多く残っています。依頼を取り下げると、候補者を集める作業と応募の対応が社内へ戻り、地域外の候補者との接点はさらに細くなります。順番としては、いまの契約を残したまま地域外に届く会社を足し、増えた社数ぶんの運用を整える進め方が現実的です。
Q. 全国型の紹介会社を足すと、社内の対応はどれだけ増えますか
増えるのは社数ぶんの往復です。募集条件の受け渡し、推薦への返信、面接日程の調整が各社に対して発生し、全国型では転居の条件に関する確認が加わります。1社あたりの作業そのものは変わらないため、負担は社数に比例して増える形になります。この往復を社内で抱えきれない場合は、契約を減らす前に、横断の代行で処理量だけを社外へ移す進め方が選べます。
県外まで広げた入口を、横断で動かします
複数の紹介会社の運用最適化を担い、各社への募集条件の受け渡し、推薦への当日の返信、面接結果の戻し、社ごとの件数の集約までを横断で引き受けます。契約中の紹介会社は1社も外しません。全国型を足した後に増える往復だけを社外へ移す形です。60分の無料相談で、地域の事情にあわせた進め方をご提案します。
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