契約はしている。なのに、推薦が来ない

人材紹介会社と契約したのに、推薦がぱったり来ない。そんな相談をよく受けます。

最初の打ち合わせは盛り上がった。担当者も感じがよかった。それなのに、いざ始まってみると候補者が送られてこない。何社かと契約しているはずなのに、今どこが動いているのか分からない。催促のメールを送るのも気が引けて、そのまま放置している会社もある。「うちの求人、ちゃんと見てもらえているんだろうか」。動いているのかどうかすら分からないのが、いちばんしんどいところです。

推薦が来ないとき、つい紹介会社の手抜きを疑いたくなります。でも、多くの場合そうではありません。紹介会社の中で、自社の求人が静かに後回しにされている。その理由には、はっきりした構造があります。この記事では、なぜ推薦が来ないのかを構造から解き、原因を7つに分け、それぞれの打ち手まで順番に整理していきます。

エージェントコントロールという考え方の全体像はエージェントコントロールとはにまとめています。ほかの記事は記事一覧からどうぞ。


なぜ推薦が来ないのか

紹介会社の担当者は、ひとりで何十件もの求人を同時に抱えています。時間は限られています。だから、すべての求人に同じ力を注ぐことはできません。どうしても、力を入れる求人とそうでない求人が出てきます。

では、何を基準に「力を入れる求人」を選んでいるのか。人材紹介の現場を知る森数美保氏は、紹介会社が企業を見るときの目線を、おおむね次のように整理しています(日本の人事部 森数美保氏コラム)。

  • 決まりそうな求人か(選考が進んで、内定までたどり着くイメージが持てるか)
  • 候補者に紹介しやすい求人か(魅力や条件が伝わっていて、勧めやすいか)
  • 継続的な採用につながりそうか(今回だけで終わらず、次もありそうか)

この目線で見られている、というのが出発点です。推薦が来ないのは、自社がこの基準から外れて見えているから。紹介会社の中での優先順位が下がっている状態だと考えると、原因がたどりやすくなります。

そもそも、いま採用そのものが難しくなっています。働きたい人より求人の数のほうが多い「売り手市場」が続いていて、国の統計でも2025年度の有効求人倍率は1.20倍。正社員にしぼると0.99倍と、ほぼ1倍です(厚生労働省『一般職業紹介状況』)。ほしい人ほど取り合いになります。そのなかで紹介会社の優先順位を取りこぼすと、推薦は本当に来なくなります。

メールの受信トレイを確認するが新しい推薦が届いていない様子
写真: Hanna Pad / Pexels

推薦が来ない7つの原因

ここからは、優先順位が下がる原因を具体的に見ていきます。心当たりのあるものから読んでください。

原因1|紹介会社の「注力企業」になれていない

紹介会社は、力を入れる企業を選んでいます。決まりやすくて、紹介しやすくて、続きそうな会社。逆に言うと、そのどれにも当てはまらないと、求人は預かったまま動かしてもらえません。契約しただけでは、注力してもらう側には入れない、ということです。

原因2|求人票が薄くて、魅力が伝わらない

求人票が「経験者歓迎」「即戦力募集」くらいの薄い内容だと、担当者は候補者に何を伝えればいいか分かりません。勧める言葉が出てこないので、自然と紹介を後回しにします。どんな人に、何を任せ、入社後にどう活躍してほしいか。そこが書かれていない求人は、紹介の土俵に乗りにくいのです。

原因3|返信が遅い

書類選考の合否、面接日程の調整、結果連絡。こうした一次対応が遅れるたびに、候補者は他社へ流れていきます。担当者も「ここは進みが悪い」と感じて、熱が冷めます。返信の遅さは、紹介会社の優先順位を静かに下げるいちばん身近な原因です。

原因4|求める人物像がズレている

市場にほとんどいない人材を、相場より低い条件で探している。要件が高すぎたり曖昧だったりすると、紹介会社はそもそも候補者を見つけられません。採用要件が固まっていないと、担当者は「誰を送ればいいのか」が分からず、手が止まります。

原因5|面接後のフィードバックが薄い

面接が終わったあと、「縁がありませんでした」の一言だけで終わっていませんか。なぜ見送ったのか、どこが良かったのかが返ってこないと、担当者は次に誰を送ればいいのか分かりません。フィードバックは紹介会社にとって、次の候補者を選ぶための地図です。地図がない求人には、次の候補者を送りにくくなります。

原因6|提示している条件・単価が市場とズレている

年収レンジが相場より低い。手数料の料率が他社より低い。こうした条件は、紹介会社の「決まりそうか」「割に合うか」の判断に効いてきます。条件そのものを無理に上げる必要はありませんが、自社の条件が市場の中でどう見えているかは、一度知っておく価値があります。

原因7|接触の頻度が低くて、忘れられている

契約したきり、こちらから連絡していない。求人の状況も共有していない。そうなると、担当者の頭の中で自社の優先度はじわじわ下がります。担当者も人なので、よく連絡をくれて状況を共有してくれる会社のことを、自然と思い出します。接触が途絶えた求人は、忘れられていきます。

推薦が来ないのは、たいてい紹介会社の中で「思い出してもらえていない」からです。

原因別の打ち手

7つの原因は、裏返せばそのまま打ち手になります。お金をかけずに今日から始められるものから挙げます。

返信を速くする。これがいちばん効きます。推薦が来たら、その日のうちに一次反応を返す。「確認しました、◯日までに結果を出します」の一言でいいので、まず返す。当日反応をルールにするだけで、担当者の安心感はまるで変わります。

求人票を書き直す。「どんな人に、何を任せ、入社後どう活躍してほしいか」を具体的に書く。年収レンジや評価の基準も添える。担当者が候補者に勧めやすい材料を、こちらから用意してあげるイメージです。

面接後のフィードバックを丁寧に返す。見送った理由と、良かった点をセットで伝える。次に欲しい人物像がよりはっきりするので、紹介会社は次の一手を打ちやすくなります。

要件を見直す。市場にいない人材を探していないか、条件が高すぎないかを点検します。譲れない条件と、譲ってもいい条件を分けておくと、紹介会社も動きやすくなります。

接触の頻度を保つ。定期的に状況を共有し、求人の温度を伝え続ける。忘れられないことが、推薦が途切れないことにつながります。

全部を一度にやる必要はありません。まずは「推薦は当日反応」だけ社内で決めてみてください。お金もかからず、紹介会社の動きがいちばん早く変わる打ち手です。
担当者がノートパソコンで求人票の内容を見直している様子
写真: Mikhail Nilov / Pexels

推薦が止まっているエージェント、放置していませんか?

止まっている紹介会社を、責めずに動かす方法があります。御社の状況をうかがって、どこから手をつければ推薦が増えるか、無料でご提案します。まずは現状のお話からどうぞ。

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自社で全部やる限界と、運用代行という選択肢

打ち手は、どれも自社でできます。問題は、これを毎日・全社分・続けてやり切れるかどうかです。

採用担当が他の仕事と兼任していると、当日反応も、求人票の手入れも、丁寧なフィードバックも、どうしても後回しになります。紹介会社が3社くらいならまだしも、10社、20社と増えると、誰にいつ何を返したかを追うだけで手一杯になります。やるべきことは分かっている。でも回らない。多くの会社がここで止まります。

中途採用で人材紹介に頼る会社は、年々増えています。人材紹介を経由して入社した人の割合は、2000年の0.9%から2022年には5.9%へ。6倍以上です(厚生労働省『企業における採用経路の選択動向等に関する調査研究事業 結果報告書』2025年3月)。頼る場面が増えるほど、付き合う紹介会社も増え、運用の手間はふくらみます。

そこで選択肢になるのが、この運用そのものを外に出すやり方です。一括エージェントは、紹介会社とのやり取りを人とAIで肩代わりします。AIが各社とのやり取りや候補者情報を横断で整理し、人が当日反応・求人票の手入れ・担当者との関係づくりを受け持つ。「動かす」作業をまるごと引き受ける立ち位置です。社数が10社でも70社でも、横断で回す前提なので、増えても担当者の手が止まりません。

念のためですが、運用代行は紹介会社を置き換えるものではありません。今の紹介会社はそのまま使い続けます。そことのやり取りを整えて、止まっていた推薦を動かすのが役割です。紹介を「増やす」ための運用、と考えてください。手数料そのものの考え方は人材紹介の手数料の本音、紹介会社への依存度を下げる話は人材紹介に依存しない採用にまとめています。

チームで採用の進捗を共有しながら打ち合わせをしている様子
写真: Monstera Production / Pexels

まとめ|責めずに、動かす

最後に、この記事の要点を振り返ります。

  • 推薦が来ないのは紹介会社の手抜きより、自社の優先順位が下がっていることが多いです
  • 紹介会社は「決まりそう・紹介しやすい・続きそう」で企業を順位づけしています
  • 原因は7つ。注力企業になれていない/求人票が薄い/返信が遅い/要件のズレ/フィードバック不足/条件のズレ/接触頻度の低さ
  • 打ち手の最優先は返信の速さ。当日反応をルールにするだけで動きが変わります
  • 自社でやり切れないなら、人とAIで運用を肩代わりする運用代行という選択肢があります

止まっている紹介会社を見ると、つい責めたくなります。でも、効くのは責めることではなく、こちら側の対応を整えて動かすことのほうです。

よくある質問

Q. 契約しているのに、まったく推薦が来ません。何から見直せばいいですか

まず返信のスピードです。書類や面接の結果連絡が遅れていないか確認してください。次に求人票の中身、そして面接後のフィードバックです。紹介会社は決まりやすく紹介しやすい会社を優先します。こちらの対応が落ちると、優先順位も静かに下がります。直すなら、いちばん効く返信の速さから始めるのが現実的です。

Q. 大手の人材紹介に頼んでいるのに推薦が来ないのはなぜですか

大手は預かっている求人の数がとても多く、その中で力を入れる企業を選んでいます。規模が大きいぶん、埋もれてしまうと優先順位が上がりにくい面もあります。会社の大小より、「自社が紹介会社にとって動きやすい状態か」を整えるほうが効きます。返信・求人票・フィードバックを見直すと、大手でも反応は変わります。

Q. 催促すれば推薦は増えますか

催促だけでは長続きしません。一度は動いても、対応の質が変わらなければまた止まります。大事なのは、催促ではなく「紹介しやすい会社」になること。返信を速くし、求人票を整え、フィードバックを返す。この積み重ねのほうが、催促より確実に推薦を増やします。

Q. 紹介会社が動かないので、別の会社に切り替えたほうがいいですか

切り替える前に、自社の対応を見直すのが先です。対応が同じままだと、新しい紹介会社でも同じことが起きます。まずは返信・求人票・フィードバックを整える。そのうえで、それでも動かない会社があれば整理を考える。順番を逆にすると、社数だけ増えて推薦は増えない、になりがちです。


止まっている紹介会社の運用、人とAIで動かします

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