人材紹介会社の利用を検討する際、複数の会社から見積もりを取り、比べてから1社に決めようとする企業は少なくありません。求人広告を選ぶ時と同じ進め方です。
ただ、「見積もりを比べているうちに時間だけが過ぎる」「どこも似た条件で決め手がない」といった状態で止まりがちです。比較に時間をかけるほど採用の着手は遅れ、決まるはずだった候補者を逃しかねません。人材紹介は成果報酬型が主流で、契約や求人の依頼だけでは費用が発生しないため、まず複数社と契約して実際の推薦で見極めるほうが有効でしょう。
本記事では、相見積もりが不要な理由から、契約前に無料で確認できる実績、契約社数を増やした後の管理までを解説します。
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人材紹介に相見積もりが不要な理由
相見積もりは、発注する前に金額が決まる取引で効果を発揮する進め方です。人材紹介の料金体系は、この前提と噛み合いません。
ここでは、成果報酬という仕組みと、契約前に分かる手数料の水準を解説します。
人材紹介は成果報酬型が主流です。求人を依頼した段階では料金が発生せず、紹介された候補者の入社が決まって初めて手数料を支払います。
そのため、契約や求人の依頼だけでは費用が発生しないのが一般的です。候補を1社に絞り込んでから契約する必要は、もともと小さいと言えます。
ただし、着手金が先に発生する契約形態も一部にあります。契約前に、費用が発生するタイミングを確認しておく姿勢が欠かせないでしょう。
比べたい手数料の水準そのものも、契約前の段階で調べられます。
厚生労働省の集計によると、常用就職1件あたりの手数料は全国平均で約103万円でした。対前年度比10.9%増です(厚生労働省『令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)』)。
常用就職とは、4か月以上の契約または期間を決めない契約で入社した人を指します。
ただしこの数字は速報値であり、全産業・全職種をならした平均です。特定の職種の相場としてそのまま使える数字ではありません。
職種ごとの相場や料率の決まり方は、手数料の相場と仕組みで解説しています。
金額を並べて比べる作業は、こうした公開情報である程度まかなえます。残るのは、実際にどの会社がどれだけ推薦を返してくるかという点です。
契約前に無料で確認できる紹介会社の実績
絞り込みのための比較は不要でも、契約する相手の実績を最低限おさえておく作業は必要です。厚生労働省が運営する人材サービス総合サイトを使えば、無料で調べられます。
ここでは、このサイトで確認できる項目と、数値の読み方を解説します。
このサイトでは、有料職業紹介事業者の実績を事業所ごとに検索できます。利用にあたって登録も費用も必要ありません。
掲載されている項目は以下のとおりです。
- 各年度に紹介で就職した人数
- そのうち無期雇用で契約を結んだ人数
- 無期雇用のうち、入社から6か月以内に辞めた人数(解雇は除く)
- 届け出ている手数料表の内容と、返金の取り決めの有無
この公開は職業安定法で義務づけられています(職業安定法)。
検索は事業所ごとに行います。窓口になっている担当者の所属事業所が分かれば、その事業所の数字を直接確認できます。

2025年4月に加わった職種別の平均手数料率
2025年4月からは、各社が実際に受け取った手数料率の職種別平均も公開されるようになりました(厚生労働省・都道府県労働局『紹介手数料率の実績の公開と違約金規約の明示が必要になります』)。
手数料表は労働局に届け出た額であり、実際に受け取った額ではありません。実態に近いのは、後から加わったこの平均手数料率のほうです。
就職者数と離職者数の読み方
数値は複数年度分が並びます。就職した人数の推移を見れば、その事業所がどのくらいの規模で紹介を行っているかを把握できます。
無期雇用で決まった人数と、半年以内に辞めた人数を並べると、入社後の定着まで確認できます。辞めたかどうか分からない人数も別枠で掲載されており、この数が大きい事業所は就職後のフォローが薄い可能性があります。
ただし、いずれの数値も各社の自己申告です。更新は年に1回のため、直近の動きまでは反映されません。
まず契約社数を増やすことから始める
契約自体に費用がかからない以上、声をかける会社を増やしても、その時点で金銭的な負担は生じません。まず契約社数を確保するところから始める進め方が現実的です。
ここでは、社数を増やす利点と、契約の段階で押さえる点を解説します。
紹介会社は、それぞれ得意な職種や地域が異なります。抱えている登録者の層も会社ごとに違うため、契約先が増えるほど接触できる候補者の幅は広がります。
1社だけと契約している状態では、その会社の登録者から出てくる候補者しか見られません。募集する職種が専門的なほど、母集団は限られます。
どの会社が自社に合うかは、見積もりの金額からは判断できません。実際に求人を渡し、返ってくる推薦の数と内容を見て初めて分かります。

契約の段階で確かめておきたいのは、金額よりも条項です。専任の定めや手数料の算定基礎、解約の条件は、契約後の動きやすさを左右します。
確認しておきたい条項の詳細は、契約書で見るべき条項で解説しています。
なお、契約社数をどこまで増やすかは、自社が推薦に対応できる量によって変わります。社数の目安と対応量の考え方は何社と契約するかの目安で整理しています。
契約社数を増やしたあと、推薦はどう変わるか
複数の紹介会社の運用最適化を前提に、契約先を増やしたあとの動かし方をまとめました。各社への情報提供の手順から、どの会社からどれだけ推薦が届いているかの記録の取り方まで、サービス概要資料で確認できます。
無料で資料を受け取る増やした後の管理が本当の課題
契約社数を増やしただけでは、推薦は増え続けません。増やした社数を動かし続ける管理のほうが、実際の課題になります。
ここでは、社数を増やした後に起きることと、管理を続けるための体制を解説します。
紹介会社の担当者は、いくつもの求人を並行して担当しています。求人の背景を詳しく聞けている企業や、推薦への返信が速い企業から順に候補者を当てていきます。
契約先が増えるほど、1社に割ける説明の時間と返信の速さは落ちていきます。結果として、どの会社でも自社の求人が後回しになりかねません。
契約中の会社を並べて比較し、どこに力を入れるかを決めていく運用が、エージェントコントロールです。詳しい進め方はエージェントコントロールの全体像で解説しています。
紹介会社を入れ替える話ではありません。契約した各社をそのまま使いながら、渡す情報と反応の速さをそろえていきます。
ただし、各社へ求人の背景を伝え直し、届いた推薦に当日反応し続ける作業は、他の業務と兼任している体制では続きません。契約先が増えるほど、窓口との連絡や候補者情報の整理にかかる時間も積み上がります。
一括エージェントは、この管理を人とAIで代行します。各社への情報提供、届いた推薦へのその日のうちの一次回答、どの会社から何件届いたかの記録までを引き受けます。
実際に医療機関を支援した例では、契約先を1社も変えずに運用だけを組み替えた結果、紹介数が約2倍になりました。2ヶ月で看護師2名の採用が決まっています。

まとめ|相見積もりより、契約と管理
本記事では、人材紹介に相見積もりが不要な理由と、契約社数を増やした後に発生する管理の課題を解説しました。
人材紹介は成果報酬型が主流で、契約や求人の依頼だけでは費用が発生しません。手数料の水準も公開情報から事前に分かるため、見積もりを集めて1社に絞り込む工程は省けます。
先に手をつけたいのは、契約社数を確保し、各社から実際に推薦を受けながら見極める進め方です。
ただし、増やした社数を動かし続ける管理には、まとまった時間が必要です。他の業務と並行して進める採用担当者にとっては、大きな負担になりかねません。
一括エージェントは、複数の紹介会社の運用最適化を人とAIで代行するサービスです。契約関係には手をつけず、各社への情報の配り方と反応の速さだけを引き受けます。契約社数を増やしたあとの管理に不安がある企業は、ぜひ一度ご相談ください。
よくある質問
Q. 提示された手数料が高いと感じます。その紹介会社は外すべきですか
外す必要はありません。手数料の水準は、各社があらかじめ労働局へ届け出た表に沿って決まるため、交渉で動かせる幅はもとから限られています。成果報酬型であれば、採用が決まらない限り費用は発生しません。実際に求人を渡し、推薦の数と内容を見てから判断するほうが有効でしょう。
Q. 人材紹介会社とは何社と契約すればよいですか
契約自体に費用がかからないため、基本は増やす方向で問題ありません。ただし社数が増えるほど、各社への情報提供と推薦への返信にかかる時間は積み上がります。自社が対応できる量から逆算する考え方は何社と契約するかの目安で整理しています。
Q. 人材サービス総合サイトの数字は、どこまで信用できますか
掲載は法律上の義務ですが、数値そのものは各社の自己申告です。更新も年に1回のため、直近の稼働状況までは反映されません。契約前の最低限の確認として使い、実際の動き方は契約後に届く推薦で確かめるのが現実的でしょう。
増やした紹介会社を、動かし続ける体制づくり
無料相談では、いま契約している紹介会社とのやり取りの状況を伺い、推薦を増やすために先に着手すべき点を整理してお伝えします。これから契約先を増やす段階のご相談もお受けしています。
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